本「失われた時を求めて 11」プルースト
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「囚われの女」の続きです。
前作の後半で「私」がアルベルチーヌの浮気を疑い行かせないよう画策したヴェルデュラン家のサロンに出かけるところから始まります。このサロンでの話が300ページ近く、残りがアルベルチーヌとの生活の顛末です。
この物語を通じて架空の大芸術家が3人出ます。作家のベルゴット、画家のエルスチール、音楽家のヴァントゥイユ。それぞれ物語の中に度々出てきたり芸術論の種になります。
ここでもサロンでヴァントゥイユの名曲が演奏され、そこで芸術論が続きます。
この演奏会を計画し成功させたのはシャルリュス男爵なのですが女主人のヴェルデュラン夫人をないがしろにした態度に怒りを買いモレルとの仲を裂かれ失意の追放となってしまいます。
サロンやらなんやらからアルベルチーヌの情報が入るたびアルベルチーヌのついた嘘がばれ、本人をつつくとさらに余計な自白をする有様で「私」は嫉妬や疑心暗鬼で苦しみ「どっちが囚われてるのかわからん」などとやっているうちにある日アルベルチーヌが出ていってしまったところで終わりです。
各場面の細かい心理描写の読み物なのであらすじを書いてもさっぱりですね。
まだ続きます。