本「失われた時を求めて 13」プルースト
失われた時を求めて 13 / 原タイトル:A LA RECHERCHE DU TEMPS PERDU[本/雑誌] (岩波文庫) / プルースト/作 吉川一義/訳 価格:1,386円 |
最終章「見出された時」の1ですね。
序盤はジルベルトとサン=ルー夫婦の顛末やらジルベルトとの昔話です。1巻目では「私」から見たジルベルトとの交流だったものがジルベルト目線からの話がえがかれます。
その後「私」は病気療養で10年くらい話が飛びまして第一次世界大戦の最中の話になります。戦争中の生々しい時期でありながらパリの人々はニュースを見聞きしたり話したり、それはそれとして日々の生活を続けてどこか現実味がありません。丁度今の日本のようでもあり人間の本質的なところがかかれているんだなあと感じます。
シャルリュス男爵はいよいよお盛んで「私」は偶然男爵が男娼館でベッドに鎖で縛られムチを打たれているのを見たりします。
友人サン=ルーは張り切って戦場に向かってあっけなく戦死してしまいます。
その後「私」は再び長い療養で更に10年くらい進みます。
「私」は長らく小説家を目指しつつ自分の才能の無さを痛感して過ごしていました。
そんな中で久しぶりにパリに帰ってサロンに出かけた「私」は、物語序盤で紅茶に浸したマドレーヌで記憶を想起したように立て続けに些細なきっかけで記憶を想起し芸術について開眼します。「失われた時」を「見出す」というわけですね。
後半100ページ位文学論が続きまして最終巻へ続く。