本「自閉症という知性」池上英子
価格:946円 |
自閉症(ASD)は障害ではあるわけですが社会性や身体感覚の障害であるとともにそれと関連して認知特性(物の見方、感じ方、考え方なんかですね)自体がいわゆる定型とは違うというところがあります。認知特性自体は定型とASDで分かれているというものではなく人の個性そのものでもありますが、ASDの方は特に少数派な特性から社会性の障害が出るようなことで障害認定されるわけですね。
しかしこの少数派の認知特性が特殊な才能や魅力につながることもあるよね、という内容です。
「障害」が取り除かれるべき障害なのか個性なのかというのは色々難しいところですが、殊にこのASDの障害については本人の障害度ではなく多数派側の受け取り方で社会の中での障害度が決まるようなところがあります。
この本の中では筆者が交流した数人のASD当事者から、その特殊な認知特性の世界を覗きます。
その特殊性の面白さもあるのですが、その世界観の対比として我々が自分自身のことを知ることにつながっても行きます。
私自身も、嫁と娘のことを知りASDや発達障害を知ることによって自分自身のことを考えられるようになりました。
人間というのは多様で複雑なもので、そこが面白いんですね。