昭和のおっさん

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本「無限振子」LOBIN.H

無限振子 精神科医となった自閉症者の声無き叫び

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タイトルにもある通り、精神科医の方がその後自閉症の診断をうける自伝です。

まず、この界隈の本は外国のものも多いので作者名から勝手に外人だと思ったらただのペンネームでした。そういや「○○訳」とかついてないや。

自閉症精神科医とだけ聞くとうまく適応した成功物語と思ってしまう方もいるでしょうが全然違います。

作者は女性の方で子供の頃から記憶力が良く学校の勉強も良く出来たそうですが人間関係はうまく行かずどうしていいかもわからずいじめにあうという典型的なコースです。

しかし高知能だからこその無理矢理な適応で周りには気づかれず破滅してしまいます。

ASDというものが重い、軽いや知的に高い、低いに関わらず如何に人生を厳しくさせるかがわかります。

ASDは重ければコミュニケーションはとれずひどい感覚過敏で難しい障害ですが、比較的軽くても社会に適応出来ず福祉の手も届かず二次障害で苦しみ・・・と、QOLの点では決して軽度になりません。

知的に高かったりサヴァンのような能力があればなんとかなるかというと、この本の作者のように難しいことが多いですね。うちの二人のように知的に低めのほうがむしろひどくこじらせることが少ないかもしれませんが、社会適応が難しいのは同じことです。

とにかく、作者も何度も訴えているように出来るだけ早く障害に気づいて対応することが大事になります。

しかし生まれついての障害である発達障害は本人は気づきづらく、如何に親や周りの人々が気づいてあげられるかということになります。

なんとか一般の方々に知識を広げて救われる方が増えてほしいものです。

余談ですが、作者の方の主治医とカウンセラーの方の話もついているのですがその中で作者さんが「ずるい」という言葉で怒り出すのだが、その内容が伝わらずよくわからない、という話をされています。実はうちの子供も以前から(こちらからすると)ちょっとしたことで「ずるい」と言って悔しそうに涙をぼろぼろ零すことが偶にあって、これ実はASDあるあるなのか?と思ってしまいました。ASDの方に聴いてみたいですね。