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本「自閉症革命」マーサ・ハーバート カレン・ワイントローブ

自閉症革命 -「信じることを見る」から「見たことを信じる」へ-

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この本は「自閉症は治る、良くなる」という本です。悩みの多い関係者からしたらそれだけで嬉しいメッセージでしょう。
ただ「これをすれば治る」などというものではなく、むしろ自閉症ASD)はそんななにか一つの治療をすれば治るというような単純なものではないよ、ということを説明していきます。
ASDはよく知られるように脳の問題ですが、それだけではなく内蔵や細胞、DNAまで様々な部分の些細な異常から様々な異常が現れてくる場合があるということです。
例えば見過ごされがちなアレルギーであったり有害物質の暴露に普通より敏感だったりといったことが重なっていって自閉症が起こってくるのだということです。
異常な感覚や行動を抑えるのではなく、そうなってしまう原因にアプローチしていくことが大切ということですね。といっても簡単に原因が特定できれば苦労はないので色々試してよく観察して、と地道にやっていくわけですがそこでなにを試していったらいいのかのヒントがたくさん書かれています。
例えば発達障害界隈ではよく行われる食事の工夫などです。健康的な良い食事をとるということが第一ですがグルテンカゼインフリー、つまり小麦粉製品と乳製品を取らないというのは効果が出ることも多いようです。もちろんASDは多様なので「必ず効く」ということはないし何かを禁止する分だけ他の部分で栄養を考えなければいけないということもあります。
それになんといってもこうした取り組みの中にはいわゆる教科書的には認められていないものも多いので何を信じるのかは自分で判断しなければいけません。そういった部分の注意についても言及しています。
結局のところASDの子供を育てる親からすると、その子のことを一番見ているのは親なわけで、なにかを試して変化を見逃さず観察できるのは親だけなので親がその子の研究者になり観察者になって、その子にとって効果のある治療を探していきましょう、ということですね。