本 「平行線」森口奈緒美
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「変光星」の続編ですね。
自分の「変」さを努力で克服しようと悪戦苦闘しますが、今から40年くらい前の日本では自閉症、ASDの理解はなく学校、病院、カウンセラー何処に行ってもなにも得ることなく疲弊していってしまいます。
森口さんの目標は「普通の労働者になって社会に貢献する」ことだったそうです。殆どの一般人にとって、これは目標ではなくただの義務じゃないでしょうか。
こんなささやかで立派な目標も叶わなかった絶望感に切なくなります。
エピローグではその後診断を受け、がむしゃらに普通を目指すのではなく自閉症や欠点を許し、受け入れることで他の人のことも許せるようになってきた、そこから得たものはそれまで努力や訓練で得たものよりも大きかった。と少し前向きに終わってはいますが。
今は当時より発達障害の理解も進んでいるし福祉などの対応もだいぶましになっているでしょうが、それでも私のようなにわかな親から見てもわかっている人は少ないなあと感じます。
10年後20年後はどうなっているのでしょうね。(受け身な私)