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本「ダウン症って不幸ですか?」姫路まさのり

ダウン症って不幸ですか?

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うちの子は発達障害ですが実際のところ表面上は軽度知的障害的な感じです。

なので発達障害の対応だけじゃなく知的障害の対応を知ったら役に立つかなーと思って本を探しても知的障害の本って結構少ないんですね。

そういえばダウン症って知的障害を伴うよなーと思ってダウン症の本を読んでます。

この本はダウン症ってどんなものなのかをとても前向きに捉えて説明したり、ダウン症の方の家庭のインタビューで実態を紹介したり、ダウン症の子供を育てるときの注意点って感じの内容です。

我が子になにかの「障害」があることはとてもつらいし受け入れることが難しいものですが、そこまでは一般人の感想なので一般人でも理解できるんですね。

しかしそこから先の「障害者」と「家族」の生活や気持ちの変化となると大概の一般人の想像の外になります。

この本では「ダウン症は問題もあるけどかわいいよ」「家族も幸せにやってるよ」という感じで書かれています。これは「私なら」実際そういうところもあるだろうな、と思えます。うちの母子もちょっとした知的障害ですが彼女らは健常と比べたら単純だし表裏がないし悪意がないので一緒にいて嫌な気分にさせられることがないですね。もちろん知的障害にも色んな方がいるとは思いますが。

しかし一般人にそれを言っても中々素直には伝わらないでしょう。「そうは言っても障害なんてないほうがいいに決まってる」「自分たちは幸せと思ってないと生きていられないんだろう」みたいな。

うちの事で言えば普通の家庭より気楽に生きている気がします。子供の成績で悩んだり人間関係で悩んだり進路で悩んだりなんてことがないし。普通の子なら「学校行きたくない」なんて悩まれたら親は「行かなくていいよ」とは言いづらくて悩むでしょうが、うちなら、大事なのは将来より今だということになります。

先のことでくよくよせず今を大事に生きよう、みたいな生き方が自然にやりやすいわけです。

次に一般人的な考え方として「障害がある子はかわいそう」「生きる価値があるのか」みたいなのがありますね。

たしかに障害があるということは大変だったり苦しかったりすることも多いわけですが、どんな障害があろうと生物は本能的には生きようとするでしょう。障害者が死にたがるとしたらそれは障害があるからではなく社会に適応できないことからの絶望が多いんじゃないでしょうか。そうだとすれば障害者をかわいそうにして苦しめているのは障害そのものではなく一般人の作る無理解な社会ということかもしれません。

 

「そうはいっても障害があるよりないほうがいいだろ?」

そりゃそうかもしれませんがファンタジーじゃあるまいし多様性のある生物なのだから色々な人がいるし、そもそも完璧な人間がいるわけじゃなし、なにかしらの長所、短所を持ち合わせているものなんだから持って生まれたものでできるだけ楽しく生きましょうというだけのことじゃないでしょうか。

 

色々な個性や特徴を受け入れることのできる社会になることは一般人だって生きやすくなると思うんですがね。