本 「自閉症だったわたしへ 3」 ドナ・ウィリアムズ
中古価格 |
ドナさんがイアンさんという男性と出会い、二人で本当の自分を脅かし無難な、常識的に見えるような行動に駆り立てる「防衛心」と戦い、自分らしい自分を取り戻していく話になっています。
作中に重度の自閉症の少年アレックスとの交流があるのですが、これが印象的です。
アレックスは人とのコミュニケーションをとらず奇異な行動から周囲に理解されず知的障害として扱われてきていたそうです。
しかしキーボードで書くことで意思を伝えられるようになると実は年齢にそぐわない程高度な知性を持っていたことが明らかになります。
よくホラー的な話で植物人間や寝たきり老人になってしまったけど実は中の心はそのままで恐ろしい思いをする的な話があったりしますが、正に事実は小説より奇なりで重度の自閉症の方の現実というのはそのようなものな様ですね。
ドナさんやうちの子供でもそうですが、その行動や言動のすべてがその人の本質ではなく障碍が行動や言動をとらせてしまうことがある、ということですね。
一般の人々の常識としては自分の行動や言動については自分の責任である、ということになっているわけで、自分が思ってもいないことを喋ってしまう、わかってないのに返事をしてしまう、なんていうのは中々理解できないし、そう言われても「わけのわからん言い訳すんな」となりますね。
自分の子供をずっと見ていてもどれが本心でどれが障碍ゆえの行動、言動なのかというのは中々わかりません。難しい障碍ですね。