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本「天才が語る サヴァン、アスペルガー、共感覚の世界」ダニエル・タメット

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価格:871円
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作者は円周率を2万桁以上暗唱したり1周間で新しい言語を覚えたりするアスペルガーサヴァンな方です。

本の題名からは「天才」の話なのかなと見えますが、主題は人間の知能、知性とはなにか、人間の脳の素晴らしさなんてところでしょうか。

作者が円周率を覚える際の脳の働きはコンピューターに例えられることが多いが、実はより人間的なんだと言います。作者のもつ共感覚の中では数字の連なりは多彩な風景のようなもので、それは普通の人がコミュニケーションの中で瞬時に相手の話を理解し、複雑な文章で返事ができるような人間的な能力だと言います。

作者はサヴァンとしてすごい記憶力の持ち主と言われていますが、人の顔を覚えることが苦手なんだそうです。いわゆる普通の人が何百人もの人の顔や名前や特徴を覚えているのも実はすごい記憶力なけですね。

人間の能力や多様性のすばらしさがわかる面白い本です。

ところでこの本の主題とはすこしずれますが、この本は10数年前の本です。

この本の中ではコンピューターがチェスのチャンピオンに勝った話がでますが、この時点では囲碁ではコンピューターは人間に全然敵いませんでした。

それについて「専門家は囲碁で人間に勝つにはあと100年はかかるだろう」と締められています。

実際にはこの数年後には人間はあっけなく追い越されました。

いわゆる「専門家」の予想というのが当てにならないところがあると思わされるエピソードだなと思いました。

現状をみても感染症なり戦争なりで「専門家」が話すことが未来を正確に予測しているとは言い難いですし、あまり人の意見に踊らされずに冷静に生きて行きたいものです。